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金融や投資学、経済学やコーチング、子育てから普通の小説に至るまで月間で10冊程度本を読むのですが、今回は最近読んだ「悪魔の傾聴」の感想とファイナンシャルプランナーの仕事をする上で有効だと思った部分ついてお話ししていきます。
傾聴とは
悪魔の傾聴の中で語られている「傾聴」とは「相手から本音を聞き切ること」「本音を引き出すことで、相手の問題や疑問、現状の答えを相手から導き出すこと」です。
クライアントとのミーティングは、そもそもクライアントが「相談したい」「解決したい」という願望が起点になっているので相談内容、抱えている問題を話してもらうこと難しくないですが、ミーティングが進むにつれて当初の相談内容では出てこなかったが、クライアントが本当に改善したいと思っている問題課題が浮びあがってくることが多々あります。
ホームページからの問い合わせで「将来への不安から資産運用を取り入れたい」という相談から始まったミーティングで話しを聞いていくうちに「母子家庭で育って子供の頃からお金の面で苦労していた」「自分の子供には同じ想いはさせたくない」「お母さんの世話も今後していかなければならないのでお金が必要」といった裏側に潜む課題が見えたケースもこの事例以外に多々あります。※実話に基づいていますが、個人の特定を防ぐために脚色を加えています。
3大原則「否定しない」「比較しない」「自分の話をしない」
本書の中で絶対にやってはいけないこととして「否定する」「比較する」「自分の話をする」が挙げられています。
ミーティングだけではなく日常生活においても、「否定する」「比較する」はしていない自負がありますが、「自分の話」についてはミーティング中には意識してなるべく抑えているものの「根が自分大好き人間」なので、たまに出てしまいます。
傾聴においては「自分の話は相手から質問された時にだけ聞かれたことに簡潔に答える。」これが基本です。この部分についてまだまだ鍛錬が必要だと実感しています。
キーワードをピックアップする「ピックアップクエスチョン」
実際にミーティングの中で「資産運用は怖い」「NISA興味はあるけどよくわからない」「(ポロっと)両親とあまり仲が良くなくて」「50歳で一億円貯めたいんです」みたいな発言が出てきます。
それに対して「そうなんですね」「仲良くないんですね。」とリアクションすることは大切ですが、深掘りせずに流したり「お金がなくなるかもしれないから怖いと思いますよね」「NISA制度は利用しない手はないですよ」といった相手の話を遮り、自分の主張にすり替えてしまうと会話が続かないだけでなく、相手の考えを引き出すことができず距離ができてしまいます。
最初はうまくできず、中心から外れた部分を深掘りしてしまったり、相手が発していない言葉を使って深掘りしてしまう(例えば「怖い」しか言っていないのに、思い込みで「怖い」=お金がなくなるかもしれないから「怖い」と勝手に思い込む)ケースもあったと思います。
ピックアップクエスチョンは既に相手が発言した単語、意図を汲み取り、即時に短い質問を投げかけることで相手の語りをもっと進める方法なので、先ほどの例でいうと、「なぜ怖いと思うのですか?」「NISA興味があるとのことですが、調べたりしたことはありますか?」「ご両親はいつから仲良くないのですか?」「なぜ1億円貯めたいと思うのですか?」など相手が自らの言葉で発したキーワードを正確に拾い主観を除いてレスポンスすることで、そう思うに至る要因を話してもらうことができます。
実際に傾聴を意識して変わったこと
人間はどうしても自分の色眼鏡で物事を判断します。色眼鏡を完全に外すことはできません。今までは頭では意識しているのに自分の主観、思い込みでミーティングを進めてしまっていた部分もあると思います。
またミーティング時間の7割~8割はクライアントに話してもらうのが理想的なミーティングですが、伝えたい想いや情報が多くなるあまり自分が話す比率がクライアントの比率を越えてしまっていた事もあります。(大反省・・・)
実践を重ね、反省を重ね、傾聴を意識することで「否定」「比較」「自分の話」を抑え、「思い込み」「決めつけ」をコントロールします。その結果クライアントに話してもらう比率が自然に増え、相手から本音を引き出すことや、相手の問題や疑問、現状の考えを相手から導き出すことが少しずつではありますが出来てきている気がします。
まとめ
ご覧いただきありがとうございます。意識していないとすぐに色眼鏡の度合いが濃くなってしまうので、意識することが重要です。自身は冒頭書いたように「自分大好き人間」なので尚更意識しないとすぐに我が出てしまいます。
最近は妻との会話でもこの傾聴を意識していますが、妻との会話中に「なんかちょっと気持ち悪い」と言われるのできっと傾聴の仕方が不自然なのでしょう。まだまだですね、、、
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