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今回は初心に戻って、なぜ国を挙げてこのNISA制度を推進しているのか?について
今一度確認していきましょう。巷では、意味の分からない陰謀論が囁かれていますが、公表されている資料の
表面と今後の展望について解説していきます。
新NISAよくある質問シリーズ⑭ NISA推進の意図~表面~
岸田首相が掲げる資産所得倍増プランは個人に「貯蓄から投資」を促し、中間層の資産形成を後押しする内容で
その柱として、少額投資非課税制度(NISA)の改善拡充を行いました。
日本の家計金融資産の半分以上を占める現預金を投資に繋げることで、持続的な企業価値向上の恩恵が
資産所得の拡大という形で家計にも及ぶ「成長と資産所得の好循環」を実現させる狙いがあります。
新NISAよくある質問シリーズ⑭ NISA推進の意図~裏面①~
税収は国にとって大きな収入源ですが、NISA制度は、いわばこの税収を手放す仕組みになっています。
ではなぜ、国はこの大事な税収を手放してまで、NISAを推進するのでしょうか?
ひとつには「老後の資金の足りない分は自分でなんとかしてね。」というメッセージです。
老後2000万問題で少し世間がざわついたこともありましたが、超少子高齢化で人口ピラミッドが異様な形をしている
日本において、将来貰える年金は無くなることはないとしても、貰える額が減ることは十分考えられます。
その対策のひとつとして、貯蓄ではなく、投資をしてもらうことでなるべく政府に頼らないようにさせる狙いが
あるのではないでしょうか。
新NISAよくある質問シリーズ⑭ NISA推進の意図~裏面②~
もう一つの狙いは、「投資する人が増えれば株価が高くなり、経済全般に良い影響」が現れてくるからです。
景気が良くなれば、国民の満足度が上がり、政府の支持率にも関わってきます。
ですが実際は、NISA制度の拡充で、政府への支持率が盛り返している印象はあまりない感じがしますし
日本株に投資がされているかというと、実際はeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)に個人投資が集中し
1月4日~15日までの資金流入額の合計は1972億円と、国内公募の追加型株式投資信託(ETFを除く)の全体の
資金流入額4689億円の4割強を占めています。また同じくeMAXIS Slim「米国株式(S&P500)」にも
1000億円を超える資金が流入しており、ふたつのファンドで全体の7割弱を占めていることからも、
今後も日本企業の株価が新NISA制度の恩恵を受けて上がる見込みは低い印象です。
新NISAよくある質問シリーズ⑭ まとめ
とはいえ、NISA制度自体はこれまで各記事で紹介してきたように、いい制度で利用しない手はないです。
一部陰謀論信者は、「国が勧めるのには裏があるから危ない!」と囁いてるようですが、そう思うなら
始めなければいいと思いますし、その考えに賛同するのであれば、利用しなくてもいいと思います。
正しい目的・意図・情報を自分の目で確認して考えましょう。
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