ご覧いただきありがとうございます。今回は色々な人に聞いた「独立系ファイナンシャルプランナーが抱える悩み」とウィンカムがその悩みをどう解決していくのかについてお話ししていきます。
独立系FPとして活躍している方、これから独立系として活動をしていこうとしている人の参考になれば幸いです。
独立系ファイナンシャルプランナーが抱える悩み
日頃お世話になっている独立系FPの諸先輩方とお話をする中で、様々抱えている課題はありながらも最も多く聞くのが「後継者問題」です。組織運営をしている独立系FP事務所であれば、会社全体でクライアントに対する業務を行うことができるので、社員の入れ替わり、突発的なトラブルが発生しても組織でカバーすることができます。ですが多くの独立系FPはいわば一匹狼で活動をしています。※私が知る限り純粋なフィーベースで「組織としてクライアント対応している独立系FP事務所」は片手で数えるほどしかないでしょう。
事業が継続できるうちは問題ないですが、様々な理由でいつか会社を畳む際に「既存顧客をどうしていくのか。誰に引継ぎをお願いするのか」ここが大きな課題となります。※自分より年齢の高い方の相談を専門にしているならば話は別ですが、、、
独立系FPは多くの場合「年間の顧問契約制度」を取っていることが多いので、クライアントとの付き合いも自然と何年、何十年と長くなっていきます。長い付き合いを続けるとクライアントの依存度も上がっていきます。そんな時に「そろそろ事業を終わりにしようと思います。今までありがとうございました。今後は他の独立系FPにお願いします」は現実的ではありません。
そもそも独立系FPが少ないので誰に相談していいのかわからないし、新しく独立系FPを見つけられても今まで通りのクオリティーでサービスを提供してくれるかはわかりません。この「後継者問題」について解決策を見ていきましょう。
「後継者問題」への解決策① 横のつながりで対応する
この「後継者問題」について考えられる対策として「横のつながりで対応する」が考えられます。
独立系FPは数が少ないが故に横のつながりが非常に強くいいも悪いも狭い世界です。私が幹事も務めている「日本アドバイザーズ協会」は独立系FPの会員数は約100名います。このようなネットワークを活用することで横のつながりを作り、信頼がおけるFPとつながりを持つなどして事前に準備する方法は有効な手段でしょう。
ただし課題もあります。それは自分のクライアントを任せられる「知識・経験・人柄なのか」「自分と似ているビジネスモデルで既存顧客の引継ぎがスムーズに進められるのか」を見極めることです。
実際にこのような形で事前に「自分に何かあったら〇〇FP事務所の〇〇さんを紹介します。」とリスクヘッジされている先輩FPもいるので。まずはこのパターンで対応するケースが今後も多くなるでしょう。
若手から中堅のFPで既に自分でビジネスを構築されている人は、知識・経験を積んで横のネットワークを生かすことで自身のビジネスモデルを更に拡大していける可能性があります。
「後継者問題」への解決策② 人材を採用orサイドライン契約で対応する。
もう一つ考えられる対策としては「後継者候補を採用し対応する」ことです。
個人の独立系FP事務所から、複数体制のFP事務所に拡大することで「組織」として対応することができます。自分より若い世代を採用し、早い段階から顧客対応に同席させることでクライアントに対して組織として対応することが出来きます。そうすれば半永久的に事業の継続をすることは可能でしょう。
ただしこれにも課題があります。まずは独立系FP事務所に応募してくる人材が圧倒的に少ないということ。また仮に採用出来たとしても定着してくれるかはわかりません。
新卒や入社数年の若手社員の早期退職が目立っている。新入社員の4割以上が転職を検討しているという調査もある。深刻な人手不足が続く中、有望な人材をつなぎ留められなければ企業経営は揺らぎかねない。企業は入社後に若手をきめ細かくフォローする体制を整え、抱える悩みや感じるギャップに対処する必要に迫られている。
2024年5月8日日経新聞より抜粋
5月8日の日経新聞の記事にあるように転職することが当たり前になっている世の中ではこの点も課題になるでしょう。
ある独立系FP事務所では、最初は1人で立ち上げた事務所ですが今では人材を採用し、組織運営にシフトしています。また別のFP事務所は自社の社員として採用するのではなく、ノウハウを提供し業務委託契約を結ぶ形で、組織として顧客管理し対応している事務所もあります。
FPの交流会に参加してみると意外と独立系FPを目指している人がいます。新卒を採用するのではなく、ゆくゆくは事業承継や顧客の承継を採用される側のメリットとして提案することで組織運営にシフトのもありでしょう。
ウィンカムのモデルケースが独立系FP事務所の後継者問題を解く鍵になるかも
ここまでは一般的に考えられる対策を列挙して説明しましたが、ウィンカムはどうなのかというと弊社は母と私の2世代FP事務所です。2世代で独立系FPをしている事務所は恐らく他にはなくかなり珍しいFP事務所でしょう。2世代でFPをしているので「後継者問題」については私が力尽きるまでは当面は大丈夫です。
基本的には新規は私が対応し、既存のクライアントはリアルでの面談の機会を徐々に設けて、顔合わせと順次引継ぎを行っています。また既存顧客は母と同世代の方が多いですが、自分のお子様を紹介して頂けるケースもあります。いま現在約3割くらいのクライアントの方々と会いましたが、皆さんからは「お母さまに万一何かあっても息子さんが対応してくれるのは非常に安心できるので有り難いです」と言ったお言葉も頂戴しています。
親子という形なので少し特殊なモデルケースにはなりますが、独立系FP事務所の事業承継という観点ではいいモデルケースになると思うので、感覚ではなく引継ぎのマニュアルなどのノウハウを構築して次世代や他のFP事務所にも波及出来ればと思います。親子でご相談も対応していますのでお気軽にお問い合わせください。
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